2025/04/14

【2025年度版】IT導入補助金「インボイス枠」完全ガイド|対象ツールから申請方法まで徹底解説

インボイス制度の本格稼働を受け、多くの事業者が対応に追われています。そこで今回は、IT導入補助金の中でも特に注目の「インボイス枠」について徹底解説します。

インボイス制度対応は「やらなければならない」負担と感じている方も多いでしょう。しかし、IT導入補助金のインボイス枠を活用すれば、この機会に業務効率化とデジタル化を一気に進めることができます。最大350万円、補助率最大4/5という手厚い支援を受けられる今がチャンスです。

この記事では、インボイス枠の申請から活用まで、あなたの疑問をすべて解決します!

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 インボイス枠とは?2つの類型を徹底比較

IT導入補助金2025年度版のインボイス枠は、「インボイス対応類型」と「電子取引類型」の2つに分かれています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1. インボイス対応類型

  • 目的:インボイス制度に対応するためのITツール導入支援
  • 補助額:5万円~350万円
  • 補助率:
    – 会計・受発注・決済ソフト:小規模事業者は4/5、その他の中小企業は3/4
    – PC・タブレット等のハードウェア:1/2
  • 対象:インボイス対応の会計ソフト、受発注システム、決済ソフト、関連ハードウェアなど

2. 電子取引類型

  • 目的:電子インボイスの送受信環境の構築支援
  • 補助額:5万円~350万円
  • 補助率:大企業1/2、中小企業2/3
  • 対象:電子インボイス対応の受発注システム、クラウドストレージ、関連ハードウェアなど

2025年度、インボイス対応類型では小規模事業者の補助率が3/4から4/5に引き上げられました。また、電子取引類型では中小企業の補助率が1/2から2/3に拡大されています。

インボイス枠で導入できるITツール一覧

インボイス枠で導入できるITツールは、「会計」「受発注」「決済」「ECサイト構築」などの機能別に分類されています。ここでは代表的なものを紹介します。

会計ソフト(A類ソフトウェア)

  • freee会計
  • MFクラウド会計
  • 弥生会計
  • 勘定奉行クラウド
  • PCA会計クラウド

受発注システム(B類ソフトウェア)

  • Misoca
  • 楽楽明細
  • BtoBプラットフォーム請求書
  • インボイスメーカー
  • EDI受発注システム

決済ソフト(C類ソフトウェア)

  • Square
  • PayPay for Business
  • Air ペイ
  • Stripe
  • Airレジ


ハードウェア(D類ハードウェア)

  • ノートPC・デスクトップPC
  • タブレット端末
  • スキャナー
  • レシートプリンター
  • バーコードリーダー

注意

補助対象となるのは、IT導入補助金事務局に登録されたITツールのみです。最新の対象ツールリストは、[IT導入補助金公式サイト](https://it-shien.smrj.go.jp/)で確認できます。

補助額・補助率の計算方法

インボイス枠の補助額・補助率は、事業者の規模やITツールの種類によって異なります。ここでは具体的な計算例をご紹介します。

 小規模事業者(従業員20名以下)の場合

  • 会計ソフト(A類):年間利用料10万円 × 4/5 = 8万円の補助
  • 受発注システム(B類):年間利用料15万円 × 4/5 = 12万円の補助
  • ハードウェア(D類):ノートPC10万円 × 1/2 = 5万円の補助
  • 合計:25万円の補助金

中小企業(小規模事業者以外)の場合

  • 会計ソフト(A類):年間利用料10万円 × 3/4 = 7.5万円の補助
  • 受発注システム(B類):年間利用料15万円 × 3/4 = 11.25万円の補助
  • ハードウェア(D類):ノートPC10万円 × 1/2 = 5万円の補助
  • 合計:23.75万円の補助金

3. インボイス枠(電子取引類型)

  • 補助額:最大350万円
  • 補助率:大企業1/2、中小企業2/3
  • 対象:インボイス対応済みの受発注ソフト利用料

※注意点として、ハードウェアのみの申請はできません。必ずA類、B類、C類のいずれかのソフトウェアと組み合わせる必要があります。

インボイス枠申請の6ステップ

インボイス枠の申請は、以下の6つのステップで進めます。

Step1:申請前の準備

GビズIDプライムの取得:[GビズID公式サイト](https://gbiz-id.go.jp)から申請(取得に2週間程度必要)
適格請求書発行事業者の登録:国税庁の「適格請求書発行事業者登録申請書」を提出
セキュリティアクション宣言:「SECURITY ACTION」の「一つ星」以上を宣言

Step2:IT導入支援事業者・ITツールの選定

IT導入補助金公式サイトから、対象となるITツールを探す
複数のIT導入支援事業者から見積もりを取り、比較検討

Step3:交付申請

IT導入支援事業者のサポートを受けながら、交付申請を行う
必要書類:事業計画書、インボイス登録番号、見積書など

Step4:交付決定

審査の結果、交付決定通知を受け取る
!重要!必ず交付決定後にITツールを契約・導入すること

Step5:ITツールの導入・活用

IT導入支援事業者と連携してITツールを導入
導入証拠(ソフトウェアの画面キャプチャ、ハードウェアの写真など)を撮影

Step6:実績報告・補助金受取

導入完了後、事務局に実績報告を提出
支払証明書や導入したITツールの利用状況などを報告
審査後、指定口座に補助金が振り込まれる

 2025年度申請スケジュール

2025年度第一次締切

申請開始日:2025年3月31日(月)
締切日:2025年5月12日(月)
交付決定日:2025年6月18日(水)
事業実施期限:2025年12月26日(金)

第二次、第三次の募集も予定されていますが、予算には限りがあるため、早めの申請をおすすめします。

インボイス枠活用の成功事例3選

小売業A社の事例

従業員5名の小売店がfreee会計とPOSレジを導入。インボイス対応はもちろん、会計業務の時間が月40時間から10時間に削減され、残業時間も大幅減。補助金活用で実質負担は3割程度に抑えられました。

製造業B社の事例

中小製造業がクラウド型受発注システムを導入。紙の請求書・発注書をすべて電子化し、取引先との連携もスムーズに。インボイス対応と同時に、請求書の作成・管理工数が70%削減されました。

サービス業C社の事例

美容室チェーンが顧客管理システムと連動した決済・会計システムを導入。インボイス対応だけでなく、顧客データの一元管理により売上が15%アップ。IT導入補助金の活用で初期費用の負担を大幅に軽減できました。

インボイス枠申請で避けるべき5つの失敗

1. 交付決定前の契約・発注

交付決定通知を受ける前にITツールを契約・発注してしまうと、補助対象外となります。必ず交付決定後に契約・発注を行いましょう。

2. 適格請求書発行事業者の登録漏れ

インボイス枠を申請するには、適格請求書発行事業者の登録が必須です。登録番号がないと申請できません。

3. 補助対象外のITツール選定

補助対象となるのは、IT導入補助金事務局に登録されたITツールのみです。登録されていないITツールは補助対象外となります。

4. 不十分な事業計画書

「インボイス対応のため」だけでは不十分です。導入による業務効率化や売上向上などの効果も具体的に記載しましょう。

5. 実績報告の不備

導入証拠や支払証明書などの書類が不足していると、補助金が減額されたり、受け取れなくなったりします。IT導入支援事業者と連携して、必要書類を漏れなく準備しましょう。

インボイス対応でよくある質問(FAQ)

Q1: インボイス枠と通常枠の併用はできますか?

A1: いいえ、同一事業者が同一年度内に複数の枠で申請することはできません。自社に最適な枠を選んで申請しましょう。

Q2: 既に使用しているソフトウェアの更新は対象になりますか?

A2: 原則として、新規導入が対象です。ただし、大幅な機能追加を伴うバージョンアップは対象となる場合があります。

Q3: 補助金はいつ受け取れますか?

A3: 実績報告の承認後、約1~2か月で指定口座に振り込まれます。補助金は後払いのため、全額を一時的に立て替える必要があります。

Q4: 小規模事業者の定義は何ですか?

A4: 製造業・その他の業種は従業員20人以下、商業・サービス業は従業員5人以下の事業者を指します。

Q5: 導入後のサポート費用も補助対象ですか?

A5: 2025年度から、ITツール導入後の活用支援費用も補助対象となりました。ただし、単なる保守・メンテナンス費用は対象外です。

まとめ:今こそインボイス枠を活用しましょう!

いかがでしたか?

2025年度のIT導入補助金を活用することで、小規模事業者なら最大4/5、その他の中小企業でも最大3/4という高い補助率で、少ない自己負担でインボイス対応のITツールを導入できます。

インボイス対応は「やらされ感」のある作業ですが、この機会に業務効率化も同時に実現できれば、長期的な競争力強化につながります。

2025年度は小規模事業者の補助率が4/5に、電子取引類型の中小企業の補助率が2/3に拡大されています。この好機を逃す手はありません。

インボイス制度への対応は避けて通れませんが、IT導入補助金のインボイス枠を活用すれば、コスト負担を抑えながら、業務効率化やデジタル化も同時に進められます。

申請準備はお早めに。第一次締切の2025年5月12日に向けて、今すぐGビズIDの取得から始めましょう。

※本記事の情報は2025年3月時点のものです。詳しい申請要件や補助金額については、IT導入補助金事務局のウェブサイトでご確認ください。

https://it-shien.smrj.go.jp/

  

▶実際にIT導入補助金を活用した企業様をご紹介!

「IT導入補助金を使って、具体的にどんな効果が出ているの?」

「どんなツールを導入すればいいの?」

を詳しく解説しています。

これから申請をお考えの方は、ぜひご一読ください!

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